惚れたら後戻りできない

富士重工業内製(以下FHI/Fuji Heavy Industry)サンバーは2012年3月に最終型が工場から送り出され、軽自動車製造に終止符を打った歴史的車両である。特に5代目(1990年3月〜1999年2月)KS3/4、KV3/4は4気筒エンジンを伝統のRRレイアウトに装備し、その完成度は非常に高く、未だ現役で走行している車両が山のようにある。その後6代目(1990年3月〜2012年3月)TT1/2 、TV1/2、TW1/2に関しては未だに日本中で見かける車両である。13年間の間にどれほどのユーザーがサンバーと共に暮らしたか、そして35年経過した現在でも朽ち果てることなく走り続け、未だ現役の車両とも言える。
ステイタスカーにもなった赤帽専用車には特別なチューニングが施され、そのレイアウトから「農道のポルシェ」とまで言われるほどの車両である。

KV3

FHIサンバーは20万キロ超えなど当たり前であり、100万キロ超えるほどの車両もあるという車両である。所詮軽自動車でありながらその驚愕の耐久性は他に類を見ないほどで、それがユーザーの心を掴んで離さないのだ。中古車でさえ、他の軽自動車とは比較できないほどのプライスタッグが付き、自動車大国日本で軽自動車にスポットが当てられたのはサンバーのおかげだと言えるだろう。

米国の25年規制から海外輸出が始まった軽自動車はFHIサンバーは米国以外でもその人気は高まる一方で、世界中で「Kei -Truck」ブームを巻き起こした張本人がFHIサンバーなのである。

強靭な耐久性を持ってしても、所詮軽自動車である。メーカーから見れば売れる車両であるにも関わらず、当然コストダウンを要求されるのも軽自動車である。メーカーサイドが分かっていてもできなかったこと。それは乗り換え需要を要求する造りであることは間違い無いだろう。
ただこの先も、まだまだ朽ち果てることなく、距離が伸びていくだろうであるFHIサンバーをより強靭にタフな作りで、延命させせ、魅力ある車両を後世に残ればと考えるのはおかしいだろうか。

一念発起して、そこはFHIサンバーを愛するユーザーのために、1番の弱点でもあるボディに着目し、延命、そして楽しさをより一層引き出そうとスタートしたのがこのブランド
AWESOME BODY LINKなのである。

PROG 代表、AWESOME BODY LINKブランド 代表:佐藤一男 ©︎2025